申立人と当職が面談をした際、次のことについても話しがありましたので、調査に加えることとしました。 ・「トイレのそぶりに気付いてくれない」ということについて ・「連絡ノート等による情報交換」について ・「プライベートな相談体制」について ・「園の事情による格差」について (調査結果) 市(子ども家庭部子育て支援課)から事情聴取を行なったところ、次のとおり説明がありました。 (1)「市の要綱等に記載されている補助の内容」について 市の要綱とは、国が定める児童福祉法に基づく国庫補助を越えて行う保育内容の充実に要する費用を補助する、市独自の補助金の支弁を定めたもので、「昭島市保育所運営費支弁要綱」と「昭島市保育所の助成に関する要綱」の2種類があります。 申立人の言う「保育士の加配」とは、昭島市保育所運営費支弁要綱第4条に基づく「障害児加算」と、昭島市保育所の助成に関する要綱第3条別表第2項に基づく「障害児処遇向上費助成」をもって充てる保育士の加算配置のことであると考えますが、どちらの要綱も、対象とする経費は「障害を有する入所児童の処遇向上に要する経費」と規定されており、必ずしも保育士の増配置を求め、その人件費に使途を限定したものではありません。しかしながら、各園では障害児の受け入れにあたり、保育士を、国が定める基準以上増配置するなどの保育体制の充実を図っており、その経費に充当しているケースが多いものと考えます。 また、昭島市の場合、その助成額は2つの要綱を合計すると障害を有する入所児童の数に153,420円を乗じて得た額であり、保育士の雇用人数と比例するものではありません。保育士の増雇用が必要であるかどうかは園の受け入れ体制、判断に委ねています。 (2)「障害児3人につき保育士が1人つくという説明」について 保育士の配置にあたり、「概ね保育士1人が障害児3人まで対応できる。」という考えかたです。すでに各園ではこの考えかたに基づき、障害児3人につき1人以上の保育士を配置しています。しかし、実際は障害の程度(車イスや医療機器の使用、疾病の状況等)により、「介助を必要とするため専任の保育士を配置するケース」や、他の園児との集団生活の中で成長することを期待し、「集団の中で複数の保育士により見守るケース」など、その保育体制は様々で、その園児に対し、どの体制を採用し保育をしていくかは入所している園の判断に委ねています。 (3)「専任」保育士の配置について 車イスや医療機器の利用、疾病の状況等によっては専任を定める園もありますが、乳幼児の育成には、特定の人とだけではなく多数の人間との接触が欠かせず、園児同士の接触も大切であると考えます。手をかけ過ぎることより、本人の為にも「集団の中で、複数で、つかず離れず程度」が良い場合もあり、必ずしも専任とする必要はないと考えます。 (4)「トイレのそぶりに気付いてくれない」ということについて 子どもの成長の過程で、「トイレットトレーニング」という考えかたがあり、「常にお漏らしをさせないということが重要なのではなく、経験をして学んでもらうこと」も、子どもの成長という観点から見ると必要と考えられています。実際、申立人の子どもさんは、今では自分で主張できるまでに成長していると聞いています。 (5)「連絡ノート等による情報交換」について 連絡ノートは、各園とも0歳児から1歳児は使用、2歳児については使用していたりしていなかったり差がありますが、3歳児以上では連絡表の掲示、印刷物の配布、個別連絡等で対応している状況です。事情によっては2歳児以上でも連絡ノートを使用している園もあり、障害等の事情があれば、多くの園から、対応可能と聞いております。 (6)「プライベートな相談体制」について 園長、保育士をはじめとする職員間においては、ある程度の情報共有は必要であると考えます。しかし、他の保護者に聞かれてしまうような状況については対応が必要と考えます。朝夕の送迎時など、忙しいタイミングでは無理もあるかもしれませんが、時間に余裕を持っていただいたり、予約するなどしてもらえれば事務室や別室などで話し合う場を設けることはできると聞いております。 また、連絡ノートの活用等も、一つの手段ではないかと考えます。 (7)「園の事情による格差」について 各保育園は、国が定める「保育所保育指針」を満たした保育を実施していると考えています。このレベルを超える部分での園による差(鼓笛、体育、行事の数、保護者会の体制など)はあるかと思いますが、各園の特色と理解しています。 (苦情申し立てに対する判断) 市と保育園は、協同して園の運営に取り組み、園児の成長にも一定の成果をあげているものと思われます。ただし、申し立てにあるように、更に園と保護者が連絡を取り合い改善すべき点もみられます。 特に要綱について、市は、障害児数と保育士の人数の関係について「明確な定めはないが、障害児3人について、保育士1名がつく。」という説明をしています。しかし、近隣市では1:1、2:1という明確な規定を設けている例も多くみられることから、当職は市に対し意見を述べ、早急に検討し、近隣市との差を縮小するように改善を図るべきであると考えます。 また、「連絡ノート等による情報交換」及び「プライベートな相談体制」につきましては、市の説明によると、各園とも対応可能であるとのことでしたので、改めて園に相談することをお勧めします。 |