夢つなぎ人第4版
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創業当時の社屋が、現社屋の隣に残る。「仕事の途中で家に帰っても地下足袋を脱ぐこともしなかった」と貴俊さんは振り返る。7「あきしまの水」を届ける水道工事 創業者で会長の貴俊さんが設備工事の仕事を始めたのは昭和39年、前の東京オリンピックの年です。品川区から立川市に移り、結婚して昭島市の朝日町に転居。昭和43年に創業してから、平成30年で50周年を迎え、貴俊さんは配管工として昭島市の技能功労者表彰も受賞しました。「昭島市では地下から深層地下水をくみ上げて飲料水、生活用水として使っていますが、私たちはそれを家庭に届ける水道設備をつくったり、保守したりするのが仕事です。『昭島のこの水でなければだめだ』という人が市内にはたくさんいますから、その水を守り届けるこの仕事に誇りを持っています」と貴俊さん。そんなやりがいのある仕事でも、長男で代表取締役の雅英さんに会社を継いでもらうのには抵抗があったのだとか。「この業界は3Kどころか4K、5Kとも言われる厳しい仕事ですし、息子にやってほしいとは思っていませんでした。会社を立ち上げたばかりのころは食べるために働くことで精一杯で、子どもには何もしてやれなかったという負い目もありましたしね」と伏し目がちに言う貴俊さんに、「そんなことはないんですよ」と雅英さんが笑顔で続けます。

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