Hi,あきしま第40号
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ヘルパーさんと共に715年余り前、父が他界した。癌だった。  ひとり娘の私は、父の癌が発覚してから、18年以上もの長い間往復している。自分の生活を大切にしながら、見守り介護していくことは、生半可なことではできない。私に姉妹がいたら、介護も交代でできるのにと思うことも多々あった。それでも通っているのは、責任と義務や愛情があるからだ。家族の理解と協力主婦が家を留守にするには、家族の協力が大切である。幸いなことに、私が専業主婦であったこと、夫が大学で教鞭をとっていたため、時間的なゆとりがあったこと、息子が既に成人していたことなどが重なり、長期間遠距離介護が続けられたのだと思う。とにかく、遠距離介護にはお金がかかる。交通費が馬鹿にならない。色々な恩典を利用しても、通う回数が頻繁になると、追いつかない。私の場合は、親が半分お金を出してくれたので、本当に助かった。不可欠な関係者の支援介護は、家族だけでできるものではない。離れて暮らしている者にとって、親の容体が急変してもすぐには駆けつけられない。実家の場合、毎日朝と昼、二回ヘルパーさんが通って来ている。母は若い頃から体が弱く、今でもよく入院している。結核に罹り、肺を切除したせいか呼吸器が弱く、かぜをひくと重症化しやすい。最近は、症状が落ちついているものの、以前は、腸閉塞が起こりやすく苦しんだ。そのたびに病院へ運び親身に世話をしてくれているのがヘルパーさん。不測の出来事に、すばやく対応してくれているのがケアマネージャーさんだ。何かと相談にのり、心の支えになってくれているのが主治医の先生。毎週一回訪問し、気遣ってくれているのが看護師さん。他に民生委員の方や親しい友人や知人、近隣の人などそんな人たちの支援のもとに母の生活が成り立っていると言っても過言ではない。心の葛藤を乗り越えて親と一緒に住む場合は、親の家へ移り住むか呼び寄せるかであろう。いずれの場合もこれまでの自分たちの生活様式が一変するのだから、心の葛藤が伴いそれなりの覚悟も要求される。他に介護施設への入所も一考である。ここでも施設探しを始め、色々な問題解決も必要になってくる。現在私は、親の家へ移り住むことを視野に入れて準備をすすめている。遠距離介護を長く続けていくためには、こちらにいる時は自分の生活を優先し、親の元へ行った時は親のことだけを考える。メリットと言えば、刻々と移り変わる富山の季節の変化を、肌で感じることだ。一番大切なことは、気持ちの切り替えをすることにほかならない。*************親の世話、自分の生活や仕事など何もかもがうまくいくわけがない。私はその都度、今どうしてもやらなければいけない順番をつけるようにしている。後回しにしても良いことは、思いきって捨てることにしている。また手伝ってもらいたい時は一人で抱え込まず、家族、友人、知人に助けを求めることである。自分の流儀で、自分の生活や仕事と介護の両立をはかれば、必ず道が開けると信じている。W・K 記

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