Hi,あきしま第41号
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3家事ハラから考える男も女も幸せになれる働き方特集ができる状況ではないため、退職していく女性が増えたためです。女性が抱えている家事や育児や介護というものの量がどれ位の量があって、どれ位負担になっているのか、それをきちんとこなすためには人間はどういう働き方をしなければならないのかということから、労務管理、労働時間設定を十分考え政策を作っていれば、これ程極端に女性正規社員が減ることはなかったのです。一方、正規社員の減少を補うように非正規社員が増えていくのですが、非正規というのは、賃金が最低賃金すれすれのところが非常に多く、しかも短期で契約が終わってしまい極端な不安定雇用です。男性も女性も同一賃金で働ける社会変革先進国の賃金格差は随分改善されてきていますが日本は正社員の間の賃金格差は2012年段階ですが、男性を100%とした場合、女性73.4%という状況です。先進国では1970年代位までは工場や製造業で働く男性の賃金が生活の支えになっていて、そこで安定雇用と家族を養えるだけの賃金をもらえるという時代で専業主婦は豊かさの象徴だったのです。しかし、1980年代からはグローバル化がどんどん進み、製造業は賃金の安い国にどんどん出て行ってしまい、近くにあった工場、職場が減って、男性が家族を養える仕事がどんどん減って行きます。代わりに男性でも女性でも関係なく働けるサービス産業が増えたのです。産業が失われる中、そこにマッチしたような働き方を考えていくためには、女性にも働いてもらい、男性が失業したら女性が頑張る、女性が失業したら男性が頑張る。そういうシステムに切り替えていかなければならなかったのです。女性も人間らしく働けるように、働き方を変える。これが民主主義と男女平等の力で強くなり、労働時間の短縮が実現出来たわけです。女性であっても同じ労働であれば同一賃金が保障される社会です。一方、日本は80年代から比較的賃金が安くて長時間働くので、安く、良品質な製品を出して家電等で世界を席巻していました。日本が製造業で勝ったといわれた時代です。日本は依然として男性が長時間働く社会のままで、しかも同じ労働なら男性も女性も同一賃金で働ける社会システムも十分とは言えません。仕事の内容に見合ったパートの時給パートの時給について見ると、男性正社員を100%とした場合、男性パートは50%台、女性パートは40%台、2012年頃にやっと50%台になってきます。なぜこんなに安いのか。それはパートは単純労働、つまらない仕事、安くても大丈夫、女性の場合はどうせ夫がいて稼げる人がいるからという思い込みが強い社会だからです。しかし、パートが増えていくと当然大事な仕事もやってもらわなければ職場は回りません。今のパートは、非常に重要な仕事を任されていて、昔の正社員とそう変わらない仕事をしている人がたくさんいます。しかし賃金水準だけは低いのです。女性も意思決定に参画できる社会性別に関係なく同じ労働に同一賃金を出す、女性がきちんと働けるように労働時間を短縮して高い賃金の仕事が出来るようにするなどの政策的転換をしていかなければならない時が来ているのです。世界の国会議席数の女性の議員比率は2012年には平均は20%を超えているのに、日本は11.3%で190ヶ国中163位です。日本の女性の就業の問題を理解しているリーダーが極端に議会に少ないため日本全体の政策転換を図ることが難しいのです。男性が目一杯働いて、家事・育児・介護をしないのが偉い労働者ではなくて、これからは両方やるのが標準労働者、というふうに頭の中を切り替えましょう。また、家事をしている自分を卑下しない。家事・育児・介護を担う者がいなければ社会は回りません。行政は福祉的な支援(保育所の整備等)を強めることによって、女性が抱えている家事育児といった仕事を一部負担する。企業は労働時間を短縮し、男性が家事・育児・介護ができる時間を作る。男性が早く家に帰り家事・育児・介護を手伝えば、女性は外に働きに行けるようになる。こうやって働く人の富を増やしていくこと、これが今私たちに問われていることです。このイメージを持って、行政から選挙から全部考えられれば、いろいろな道が開けて、物事が解決していくのではないかと思います。

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