Hi,あきしま第41号
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この印刷物は古紙を利用しています8BOOKGUIDE✿ ピケティ理論から現代の日本社会を読み解く!『ピケティ入門』―『21世紀の資本』の読み方―竹信 三恵子 著金曜日 ₂₀₁₄年₁₂月フランスの経済学者トマス・ピケティは『21世紀の資本』のなかで、今の資本主義が民主主義になっていないことが問題だと述べている。本来は平等な富の分配ができるのが民主主義で、富による格差のメカニズムを300年・30カ国以上の税務データを基に分析し解明している。さて、本書はジャーナリスト・大学教授である著者が、「格差を放置せず、平等へ向けた格差縮小の力を創出することこそが人類の発揮しどころ」というピケティのメッセージを基に、今日本が抱えている諸問題を解き明かしている。格差の現場取材をしてきた経験が活かされたその内容は、「地方創生と格差」「女女格差」「教育格差」などについて、具体的な解決策を提言している。格差の縮小を目指し書かれた『21世紀の資本』の本来のメッセージを、一般の人々にも分かりやすい言葉で著したガイドブックとなっている。✿地域再生に迫る!『福井モデル』―未来は地方から始まる―藤吉 雅春 著文藝春秋 ₂₀₁₅年4月本書はノンフィクションライターの著者が、福井県鯖江市やその他の都市を現地ルポし、地域再生の秘訣を探っている。第1章は少子化対策や地域再生の問題点、第2章では国連の潘基文事務総長が、エネルギー効率改善都市に選定した富山市の取組。第3章は「持続可能都市」へ向けた「新しい仕事を創り続ける福井モデル」について鯖江市を中心に解説。最終章では「全ての答えは学校の授業にあった」と題し、福井モデルを生みだした自発性を育む教育や福井県人の勤勉さについて、その影響の強さを語っている。地方再生のヒントを与えてくれる一冊。✿仲間たちの喜びのために奉仕し、尽くす若者たち!『つくし世代』―「新しい若者」の価値観を読む―藤本 耕平 著光文社(新書) ₂₀₁₅年3月「ゆとり世代」「さとり世代」と言われる今時の若者たち。その彼らをさらに細かく分析し、調査したのが本書である。「彼らには上の世代にはない、別の特徴があり、それを一言で表現したのがさとり世代」であると述べている。著者は2010年から若者研究を開始し、2012年には学生メンバーで構成する若者マーケティング集団「ワカスタ(若者スタジオ)」を創設し、学生と共同で若者を対象とした商品開発やキャンペーン開発を行っている「マーケッター」である。今時の若者は、奉仕や博愛の精神とも違う「仲間たち」に「尽くそうとする」のが「日常的な行動原理、消費の原理」とのこと。「自分一人ではなく誰かのために考え行動し、みんなをハッピーにするために行動」するのであって、それを著者は「つくしの精神」と言う。マーケティングの分析手法とオリジナル調査などによるデータを用いた新しい若者論。✿その他、今年度購入した本◆『「全身○活」時代』―就活・婚活・保活から見る社会論―大内 裕和、竹信 三恵子 著 青土社 2014年6月◆『仕事と家族』―日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか―筒井淳也 著 中央公論新社(新書) 2015年5月◆『ここまでできる働きざかりの介護』小山朝子 著 旬報社 2015年6月◆『在宅介護』―「自分で選ぶ」視点から―結城康博 著 岩波書店(新書) 2015年8月◆『シングルマザーの貧困』水無田気流 著 光文社(新書) 2014年11月今年度購入した本は、男女共同参画ルーム「おあしす」にあります。 問合せ先 企画政策課 042-544-5111 内線 2373Hi,あきしま 第41号 2016年3月20日発行  編集『Hi,あきしま』編集委員会  発行 昭島市企画部企画政策課TEL 042(544)5111(内線2373) FAX 042(546)5496 編集委員 渡邉 啓子・原 幸子・山内 昭裕・清田 若子・倉水 勝・榎本 眞弓BOOKGUIDEINFORMATION~女性悩みごと相談無料~家族関係やからだ、心の悩みなどはありませんか?女性フェミニストカウンセラーが相談に応じます。お気軽にご利用ください。相談日:毎週水曜日午後1時~4時(祝日・年末年始は除く) 相談時間:1人₅₀分場所:市役所3階応接室 相談方法:電話または面接 利用方法:予約制TEL 042-544-5130(直通)☆「Hi,あきしま」についてのご意見・ご感想などは、下記までお寄せください。*郵送=〒196-8511  昭島市田中町1-17-1     昭島市企画部企画政策課 男女共同参画担当*ホームページ=昭島市トップページ「市民の声」→「ご質問・お問い合わせ」を選択し、送信してください。

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