Hi,あきしま第43号
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5Hi,あきしまたら高速道路のサービスエリアが飛びついた。飲酒運転撲滅化の流れでしたから。運転手にアルコールを提供できないので居酒屋でも置くようになった。居酒屋や家庭に広まり、ヒットにつながった。これが女性活躍の走りで、その後もいろいろな取組、例えばカルビーの「フルグラ」も女性の課長、時短勤務中の女性たちが作ったヒット商品です。自動車もベッドタウンの販売店は女性の店長が増えています。なぜかというと平日車を運転するのはママたちだからです。ママがベビーカーを積みやすい、ハンドルが軽い、右折がしやすい、親切なカーナビがついている、便利な車を欲しがる。それに対応できるのが育児経験のある女性の店長さんなのです。イクボスの事例大手の重工業、50代の課長の場合、奥さんは看護師で共働き。奥さんが夜勤の時は保育園への送り迎え、食事の支度、絵本の読み聞かせ、寝かしつけをしていたそうです。やっていたので部下の共働きにも理解がある。出張日程でも、風邪が流行る時期の園児がいる家庭の出張は控える。小学校の入学式は避ける。そういった配慮ができる。会議をなくした企業もあります。会議室をつぶしました。会議がなくなったら資料をつくらなくて良い。資料をつくるための残業もいらない。それでもその企業は増収増益です。これがイクボスの経営理論なのです。長時間働かせて部下の私生活をつぶして、売り上げを積んできたというのが高度経済成長期の経営のやりかた。もうそれではだめなんです。今の時代は職場でいろんな事情を抱えている人が増えている。働く場所や時間が何かしらの事情で制約を受けてしまう制約社員でも働かなければならない。4時間でも6時間でもその人の能力を活かせるような、そういうマネジメントが出来なければ管理職失格なんです。イクボスの事例で、共通しているのは、部下とのコミュニケーションを常にとっている。日頃から、常に声掛けをして家族の状態とか、キャリアアップについて常に相談できる、頼りがいのあるボスになっているんですね。長時間労働と業務の属人化結局、この二つの構造的な課題を解決しなければ、遅くまで働くことを美徳化してしまい、健康や家庭を破壊してしまう危険性を高めてしまいます。これから求められる働き方は、ワークハードではなく、ワークスマートです。就業時間内はハードに効率よく働く。あとはメリハリをつけて自分のライフ、子育て、趣味、地域活動、こういったものをエンジョイする。短い時間で高い価値を生む、生産性の高い社員になる。そういう人がいっぱいいた方が経営効率がいい。それによってワーク・ライフ・バランスが可能になってくる。イクボスがすべきこと自分とチーム全員の意識改革をする。できない理由ばかり言ってないで、どうすればできるかを考える。何をすれば働きやすい職場になるか、チーム全員で話し合ってみてください。上手くいかないこともありますよ。上手くいったことだけ続ければいい。あとは業務改善、自分自身がワーク・ライフ・バランスを考え、休暇計画を自分で出すべきです。イクボス10か条も作ったので参考にしてください。最後に覚悟。制度より風土、風土より上司の意識改革なんですね。空気を作ってるのは管理職です。だから上司の覚悟が職場を変えます。イクボスについてわかっていただけたら、こういう講演の72時間の法則というものがあります。今から72時間以内に何か自分でプランを作ってやってみる。それで身に付いたり、幸せの車輪が動き始めます。だから持ち帰って、皆さんの職場で、チームで、あるいは家族と話し合うでもいい、何かやってみてください。そしたら、皆さんのライフが充実しますよ。そういう人が増えれば、昭島が男女共同参画の社会になっていくんじゃないでしょうか。◆イクボス10か条◆1)理解:現代の子育て事情を知り、部下がライフ(子育て・介護等)に時間を割くことに、理解を示していること。2)ダイバーシティ:ライフに時間を割いている部下を、差別(冷遇)せず、多様な人材を活用し経営をしていること。3)知識:ライフのための社内制度や法律を、知っていること。4)組織浸透:管轄している組織に、ライフを軽視せず積極的にワーク・ライフ・バランスを推奨し広めていること。5)配慮:転勤など、部下のライフに「大きく」影響を及ぼす人事については、最大限の配慮をしていること。6)業務改善:育休・介休取得者などが出ても、組織内の業務が滞りなく進むために、組織内の情報共有作り、チームワークの醸成、モバイルやクラウド化など可能な手段を講じていること。7)時間捻出:部下がライフの時間を取りやすいよう、会議の効率運営、書類の削減、意思決定の迅速化、裁量型体制などを進めていること。8)提言:役員・経営者や人事部などに対し、部下のライフを重視した経営をするよう、提言していること。9)有言実行:「イクボスのいる組織や企業は業績も向上する」ということを実証し、社会に広める努力をしていること。10)隗より始めよ:ボス自らワーク・ライフ・バランスを重視し、人生を楽しんでいること。

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