Hi,あきしま47号
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6Hi,あきしまなぜ、今「働き方改革」なのか一昔前と今とでは職場の状況が変わってきていると思います。以前は社員のほとんどが男性で日本人。こういった中、皆で長時間労働もいとわず働き続け、日本経済が成長してきたという歴史があります。でも今は男性も女性も、既婚の人も未婚の人もいます。子育て、介護、病気で治療中の人も、再雇用、派遣、外国籍の人も、いろいろな人たちがいて、皆が違う中で企業としてどうやって社員の能力を発揮させてやっていくかという事を考えていく必要があります。ワーク・ライフ・バランスとは誰のためのものか。育児中の女性社員にばかりフォーカスされている気がしますが、そうではなく、皆がそれぞれの人生の中でプライベートの責任を果たしたい、人生を豊かにしたいという思いがあります。いろいろな人がいる中で、どうやってみんながワーク・ライフ・バランスを実現するかという事を考える必要があると思います。今、働き方改革を国も進めていますが、その背景に人口構成の変化があります。過去を見ると人口も増加傾向で高齢者も少なかった。でも将来的には生産年齢人口(15~64歳)が減り、高齢者が増えていく。働き手が多くて社会保障費があまりかからない時代から、状況が大きく変わってきています。そういう中で働き方を変えていかないと、日本全体がかなり苦しい状態になってしまいます。多様な働き方を可能にするものとしての「在宅勤務」今、多くの会社でやっているのは労働時間管理をする在宅勤務だと思います。例えば「明日は子どもの授業参観があって、昼間に2時間抜けたいんです。通勤時間を考えると在宅で仕事をしたいのですが」と言われる。通常は通勤して9時~18時までの勤務、その後帰る。在宅勤務の場合は、抜けた分の2時間を後ろにずらすことができます。在宅勤務の一番のメリットは通勤時間が無くなる事で、1日3時間、4時間の移動時間が無くなれば、どれだけ時間を有効に使えるかという話です。介護に当てはめてもいいです。介護ならケアマネージャーとの打ち合わせもある。日中にどうしても、「ちょっと1時間外したい」という事があります。そういった時にテ*レワークができるといいなと思います。仕事と介護の両立仕事と介護の調査やヒアリング、研修の中で私が感じているのは、親の介護をしている人はプライベートなことなので職場に迷惑をかけないようにしている。「いつも申し訳ない」とおっしゃる方がすごく多いです。介護は本当に大変ですよね。大変って思って追いつめられる人もいる。一方で「上司や同僚の理解があり、助かった」と言っている方もいます。両立している人をみると、細切れに必要な時に休んでいる。どういう時かというと、打ち合わせや契約など「これは家族がやった方がいい」という時に休む。このことも厚労省の調査結果に出ています。最初の頃は手続きが多く、事業者やサービスを決めるのも大変です。そういう時はまとめて時間投入します。実際に専門家に家に入ってもらって在宅介護を始めても、落ち着くまでに時間がかかったり、いろいろな問題が出てくる。この期間に介護休業を充てて、ある程度回るようになったら会社に戻り、介護と仕事を両立していく。だから1年の介護休業期間を持った会社も「まるまる1年休んで」というメッセージではなく、介護サービスの利用を前提にどうやって両立できる環境をつくるかということで、人によっては1年よりもっと早く帰ってきてほしいというところなんです。全部自分で介護をしてしまうと、仕事を続けるのが難しくなります。肉体的にも精神的にもつらい。介護保険、地域、民間サービス、昭島市でも市独自で使える介護サービスというのがたくさんあると思います。それらをうまく使い、専門家の手を借りながら介護に携わる。そういうことが辞めない、両立のためのポイントだと思っています。男女共同参画講演会(平成30年10月27日)報告これからの働き方を考えようこれからの働き方を考えよう~働く人の意識改革と職場環境の整備~~働く人の意識改革と職場環境の整備~多様な働き方、生き方が選べるワーク・ライフ・バランスの実現や、そのための環境づくりなど、これからの働き方についてお話を伺いました。講師:新田香織さん社会保険労務士法人グラース代表特定社会保険労務士キャリア・コンサルティング技能士2級*テレワーク:インターネットなどの情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方。

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