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昭島市

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平成25年度AKISHIMA環境未来ディスカッション

更新日:2017年4月14日

AKISHIMA環境未来ディスカッション

  • 平成26年3月15日(土曜日)(午前9時から午後4時まで)
  • 昭島市役所 602,603会議室
  • 日時:平成26年3月15日(土曜日)午前9時から午後4時まで 昭島市役所602・603会議室

あいさつ:

  • JC重森理事長 午前9時から9時03まで(昭島青年会議所)
  • 村野環境部長 午前9時04から9時12分まで(昭島市環境部)

参加者紹介:午前9時17分 

  • 【市民・事業者】長濱氏、浜崎氏、田中氏、寺村氏、福永氏、森田氏、風間氏、矢島氏、中野氏、鈴木氏、大嶽氏、石川氏、
  • 【高校生】梶原氏・原島氏・石川氏・野崎氏(昭和高)、高橋氏・猪爪氏・関氏・青木氏(啓明学園)、桑原氏・星氏(拝島高)、奥野氏・高橋氏(多摩工高)、
  • 【啓明学園】斎藤先生、
  • 【青年会議所】重森氏・金井氏・高橋氏・阿部氏・河村氏・日恵野氏・熊谷氏、柴田氏、帷子氏、【昭島市】村野・山口・指田・松永・秋元

講師紹介:

  • 午前9時19分(財)地球環境戦略研究機関 国際生態学センター 矢ヶ崎 朋樹氏

室内講義「ふるさとのみどりと環境保全」午前9時19分から 

【講義要旨】

  • みどりを見つめ直す基礎的な知識として事実を知ってほしい。
  • 世界における森林の面積、陸地の31%、2005年から2010年の間のデータで年平均約500万ヘクタール減少。森林の減少は「熱帯」に集中している(日本は温帯)。
  • 日本は「森の国」と言われている。森林面積2,510万ヘクタールは国土面積の66%、7割弱が森林。
  • 日本のみどりは首都圏で減少している。首都圏のみどり(農地・林地面積)は、1960年から2003年の間の40年間で、約21.9万ヘクタール減少(山手線の内側の約34個分)。
  • 昭島市のみどりの現状について、平成15年時点で、みどり率43.8%。みどり率とは、樹林地、農地、草地、宅地等の緑、道路街路樹、公園の緑で覆われているところ=緑被率のほかに、公園内の緑で覆われていないところや河川等の水面(3.1%)もみどり率に含まれている。昭島市の場合、森林については、樹林地が2.3%しかない。樹林地が占める割合は、ほとんど砂漠の国、アフリカのケニアの森林率(6%)と同じ。森林率2.3%は首都圏ならではの特徴といえる。
  • 昭島市のみどりの変遷について、1997年から2010年の間に28.9ヘクタール減少している。
  • 「みどりとの付き合い方の変化」→暮らしとみどりのつながりについて、みどりの付き合い方が変わってきている。例えば、昔は河原へ『こごみ』を採りに行くようなことを当たり前のようにしていたが、今現在は、途絶えてしまったものがある。
  • 日本の用材自給率について、昭和30年に94.5%であったものが、高度成長期から減少し、平成22年には26.0%まで減少。ほとんどが外国からの輸入品になっている。
  • 日本の植林面積と用材需要の推移について、日本の植林面積は1950年から1971年まで30万ヘクタール以上あったが、ここ最近植林は減少し、日本人は植林しなくなっている。当時の時代背景で違うが、反面、用材の需要は増えており需要があることがわかる。
  • 以前は、木炭や薪を使っていたが、1970年代のエネルギー革命によって、ライフスタイルの変化があり、スイッチ一つで電気が付く、火が付くようになった。ここまでが、みどりとの付き合い方の変化についての講義。
  • 緑の役割・働きについて、特に「森」の働きは、ちりやほこりの吸着、防風・防火、水源の涵養、水質浄化、表層崩壊や土壌侵食の防止、生物多様性の保全など。自然の資源、天然林は人の手を加えなくても持続可能で、保養機能や防音効果がある。水源涵養機能は、土、浸透能の違いによる。水の浸み込みやすい土は、ブナ林や手入れの良い人工樹林で、落葉・落枝が分解されて土になる。
  • 今日的課題-土地荒廃(本来あるべき状態に回復が困難な状態)を防ぐについて、緑を守り育む、緑を再生することによって、荒廃を防ぐ。ここで、どこの荒廃が進んでいるか質問。

(回答)

  1. マダカスカルの土砂崩れ(ラバカ)ユーカリの野焼きを繰り返し土地が流れ出している。
  2. ラオス焼畑斜面における土壌侵食植林した樹木をどのように育てていいか分からなかったため畑同様、焼畑をして下草が生えなくなり土壌の浸食が進んでしまった。
  3. 足尾銅山周辺の国有林は、森林伐採・山火事に加え精錬所から排出される亜硫酸ガスによる煙害が森林を消失させた。
  4. 丹沢山地シカ害で下層が駄目に。遠くから見ると森は茂っているが、中を見ると樹皮剥皮の発生など自然植生の劣化が顕著となり自然植生が衰退。
  5. 檜の植林適切な管理が行われていない場合には、地面にほとんど草本が生育できないほどの暗さになってしまう。自然な森に再生できなくなっている。
  6. 昭島市のみどり昭島のみどりは持続可能か。(午前10時05分から野外講義へ)

野外講義 10時15分から11時55分まで

最初のコース時和田橋でバスを下車し、福島町二丁目崖線から廣福寺(大松)、福島神社、福島町一町目崖線緑地を経由し、郷地稲荷神社(大ケヤキ)まで 

  • 福島町二丁目崖線(元「廣福寺」寺社林)の斜面林を見学。ムクの木、エノキ、ケヤキはニレ科で、 山地や丘陵の適度に湿り気のある日当たりのよい場所に自生する。樹木としては、クスノキ科のシロダモ、ムクの木などが自生している。フェンスの東側には、枯れたつる植物のカナムグラが見て取れた。なお、夏には特定外来種に指定されているアレチウリが群生するため、抜き取り作業によるアレチウリの駆除が必要。
  • 廣福寺の大松を見学。大きな松かさを見ながら「松」の役割について講義。海のへり、岩場にあり、防風林、砂防としての役割を担う。また、廣福寺にあったシラカシについて講義。名前の由来は、木を切った中の部分が白いこと。昔の人は外見で名前を付けたのではなく、暮らしの中に使うものとして名付けていた。
  • 福島町一町目崖線緑地へ行く途中で見かけたマテバシイについて講義。薪・炭に使われるが、以前はマテバシイの枝に海苔を付着させて栽培していた。今はキシリとして使っている。エノキ、ケヤキ、カヤ、ヒノキ、サワラで森林の構造について講義。ケヤキの樹皮は鱗状にはがれます。若いときははがれませんが、年輪を重ねてくると、鱗状の思わぬ形になって剥がれてきます。レッドロビン(セイヨウベニカナメモチ)について説明。生垣の定番になっている。
  • 福島町一町目崖線緑地を見学。矢ケ崎先生から「ここは森林でしょうか」問われる。
  • 上と下のミスマッチ。崖の上の方は森林の木が植生しているが、下は草地の植生。高校生から何故ミスマッチではだめなのか質問。階層構造が発達する多層構造のある植物社会は何をもたらすのか問われる。高校生から世代交代との声あり。世代交代が重要である。自分で更新することが可能だから。ここでは世代交代が望めない。根系システムと斜面の保全、下の部分をしっかり保持する、草地は根が浅いものが多いから、樹林地と比べたら斜面保持に対して劣る。
  • クヌギについて、漢方にも使われる役立つ木。コナラ、ミズナラ、クヌギなどのドングリの木。
  • 郷地稲荷神社見学。樹齢400年の大ケヤキ見学。次世代へ更新させる方法として頭上更新などを説明。ポラーディング(萌芽更新木の幹を剪定)などの説明を受ける。
  • 大神町四丁目崖線緑地へ移動・見学。ケヤキは、根系からすると根は浅いが、土壌緊迫力が強く、斜面保持力が強い。上にはケヤキ、下にはアラカシの常緑広葉樹があり自然の状態が比較的いい。12時05分市役所到着。

午後1時からテーブルディスカッション(午後よりJCの熊谷多美子氏合流)

  • 司会からルール説明ののち、グループごとにディスカッション。
  • ディスカッションは、問題を出し合い、それに対する意見(解決策)を出し、似ているもので分類し、各グループ2から3に整理して発表した。

1班

問題:

  • 時若者の意識が高まらないこと
  • どうやって若者の意識を高まらせるのか
  • どうやって若者に知ってもらうか

解決策:

  • イベントを通して若者の意識改革を行う
  • イベント入場料で木を植える
  • 「森コンフェスタ」を開催し、学び、知る機会を確保する

2班

問題:

  • 時生活を優先し、家の余った土地にしか緑がない
  • 人と自然との共生のしかた
  • 森を再生するにはどうしたらいいか
  • 土地に合う植生を残した方がいいのか

意見:

  • 時人間が住むところを削って緑を残す
  • 不便な生活を楽しむ
  • 街路樹とか道に緑を増やしたい
  • 官民で緑を管理する

解決策:

  • 落ち葉の活用方法、ごみではない
  • 植生する土地の税金を安くする
  • 学校と市で連携して管理する
  • 今の自然の現状を知るための勉強会を行い、みんなに関心を持ってもらう

3班

問題:

  • 自然の中で子どもが遊ぶ場所がない
  • 自然への意識のない人が多い

解決策:

  • 森林を子どもに開放する
  • 自然の中で遊べる施設をつくる
  • 多摩工業高校ではビオトープをつくっている
  • そのビオトープは、生態系がどういうものなのか自分たちで調べ、それを手を加えずに自然にまかせてどうなるか観察している
  • どのような生物がいるか理解したうえで田舎の自然を実践している

4班

問題:

  • 緑が多いと思ってしまっていることが問題
  • 小学生が緑とふれあう機会が減ってきている
  • 緑が増えた際、落葉、日当たり等の問題
  • 低層階と高層階での意見の違い
  • 里山がない
  • 開発で畑に家が建ち、緑がなくなる
  • 木がまばらで土砂崩れ等もしもの時どうなるのか

意見:

  • イベントを開いて小学生等に緑とふれあう機会を作る
  • 自然に触れることで意識をしてもらう
  • 大きい木ではなく小さい木ではだめか
  • 1階に部屋をつくらない

解決策:

  • 意識のレベルアップ
  • 地域社会のコミュニケーションが大事

午後3時25分から矢ケ崎先生の総括

1班

  • 問題から解決策をイベント1本に絞ったのがグッドポイント、森コンフェスタを開催するところまで進んでいる。また、イベントばかりだと本質を失うとアドバイスをもらい、学び、知る機会としてのイベントを考えている。現状の問題、「若者の意識が高まりません。」については、逆に何で高まらないのか考えてもおもしろかった。学ぶ機会、知る機会がないから、自然体験の機会が子どもたちに圧倒的に減っている。学び、知る機会の多さをまず確保することが大事。

2班

  • 緑を重視、生活を優先、その中間で整理されて、それぞれで問題から解決まで考えられていて良かった。その結論として、みんなに自然の現状を知ってもらい関心を持ってもらいたいということで、今回のような取組は有意義だった。また、落ち葉はごみではないというのもよかった。

3班

  • 「森林を子どもに開放する」では、子どもの頃の自然と触れ合う体験が大人になってからの人間関係にいい影響を与えているという調査結果が出ている。ビオトープについては、最初人間が手を加えた人工的なものと思ったが、そうではなくて、その土地の自然環境を調査して、環境に合ったビオトープを作って、かつ、自然に放置しているというのは素晴らしい。学校で実践しているとのことなので、大変興味があるし、ぜひ続けてもらいたい。

4班

  • 里山がないという現状分析をあげているのが良い。何故里山が大事か。遠く離れた存在だが、緑への興味・関心のない人へのメッセージ。かつての里山の中に私たちの学ぶべき生きる力があり、生きる力のヒントがある。価値を取り戻すことができれば、役目を果たしてくれる。

発表には出ませんでしたが、1班の話し合いの中で、みどりの価値について意見が出ていました。皆さんは普通のクリップが落ちていたら拾いますか。ほとんどの人は拾わない。では、それがカラークリップだったらどうですか。拾うという人が少し増えます。では、動物の形をしたカラークリップだったらどうですか。ほとんどの人が拾います。それはなぜでしょう。高校生の回答。珍しいから。そうですね。そこに価値があるからですね。クリップが出始めのころは珍しくて大切にされたと思いますが、時とともにその価値が変わっています。みどりも現代における価値を見出していくことが重要です。

15時55分から閉会 環境課長挨拶

(記録時事務局)

お問い合わせ先

環境部 環境課 計画推進係(2階7番窓口)
郵便番号:196-8511 昭島市田中町1-17-1
電話番号:042-544-4331(直通)
ファックス番号:042-544-6440

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