VOC排出削減のお願い

VOCとは揮発性有機化合物のことで、蒸発しやすく、大気中で気体となる有機化合物の総称です。VOCは様々な成分があり、塗料やインク、ガソリンから揮発するトルエンやキシレンなどが代表的な成分です。これらは、工場やガソリンスタンド、工事現場以外にも、オフィスや一般家庭からも排出されています。

VOCによる健康被害

大気中に発生したVOCは、窒素酸化物とともに太陽の紫外線を受けて反応し、光化学オキシダントを生成します。気温が高い時期には、光化学オキシダントの濃度が高くなりやすく、光化学スモッグという現象が発生します。夏季（6月から9月まで）は条件が揃いやすいため、特に注意が必要です。
光化学スモッグが発生すると、目がチカチカしたり、のどの痛み、息苦しさ、頭痛などの症状を引き起こすことがあります。
また浮遊粒子状物質や微小粒子状物質にも変化し、呼吸器系や循環器系への影響も懸念されています。

VOC対策アドバイザーの派遣制度

東京都のVOC排出割合は、工場や事業所からの排出がおよそ70％と推定されています。そのため、VOC排出削減には工場や事業所の対策が必要です。東京都では、光化学スモッグの発生や浮遊粒子状物質の生成の原因となるVOCの排出削減に向け、中小企業に向けたVOC対策アドバイザーの派遣制度を実施しています。専門家が工場を訪問し、VOC排出対策の助言を無料で行います。ぜひご活用ください。

日常生活でのVOC対策

東京都のVOC排出割合は、一般家庭やオフィスからの排出がおよそ20％と推定されています。日常生活での対策はVOC排出削減に十分に効果的です。スプレー製品、塗料、接着剤にはVOCが含まれるので、VOCを含まない製品や、VOC排出の少ない製品を選びましょう。