○昭島市総合オンブズパーソン条例
平成15年3月26日
条例第4号
(目的及び設置)
第1条 市民の市政に関する苦情を公正かつ中立的な立場で簡易な手続により迅速に処理し、市の機関に対し勧告、提言等を行うことにより、市民の権利利益を擁護するとともに市政に対する信頼を高め、もって開かれた市政の一層の推進を図ることを目的として、昭島市総合オンブズパーソン(以下「オンブズパーソン」という。)を置く。
(定義)
第2条 この条例において、「市の機関」とは、市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会並びにこれらに置かれる機関をいう。
(所管事項)
第3条 オンブズパーソンの所管する事項は、市の機関の業務の執行及び市の機関の業務の執行に係る職員の行為に関する事項であって、次に掲げる事項に該当しないもの(以下「市の業務」という。)とする。
(1) 判決、裁決等により確定した事項
(2) 現に判決、裁決等を求め係争中の事項
(3) 議会に関する事項
(4) 職員の自己の勤務条件に関する事項
(5) この条例に基づき既に苦情の処理が終了している事項
(6) オンブズパーソンの行為に関する事項
(職務)
第4条 オンブズパーソンは、次に掲げる職務を行う。
(1) 市の業務に関する苦情を受け付け、迅速に処理すること。
(2) 自己の発意に基づき、市の業務に関する事案を取り上げ調査を行うこと。
(3) 申立てに係る苦情又は自己の発意に基づき取り上げた事案(以下「苦情等」という。)に関し、市の機関に対し是正等の措置を講ずるよう勧告を行い、若しくは意見を述べ、又は制度の改善に関する提言を行うこと。
(4) 勧告、意見、提言等の内容を公表すること。
(オンブズパーソンの責務)
第5条 オンブズパーソンは、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
2 オンブズパーソンは、その職務の遂行に当たっては、市の機関との連携を図り、相互の職務の円滑な遂行に努めなければならない。
3 オンブズパーソンは、その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。
(市の機関の責務)
第6条 市の機関は、オンブズパーソンの職務の遂行に関し、その独立性を尊重するとともに、積極的に協力しなければならない。
(組織等)
第7条 オンブズパーソンの定数は、2人とする。
2 オンブズパーソンは、人格が高潔で、行政に関し優れた識見を有する者のうちから、議会の同意を得て、市長が委嘱する。
3 オンブズパーソンの任期は、3年とし、1期に限り再任することができる。
(兼職等の禁止)
第8条 オンブズパーソンは、衆議院議員若しくは参議院議員、地方公共団体の議会の議員若しくは長又は政党その他の政治団体の役員を兼ねることができない。
2 オンブズパーソンは、市と特別な利害関係にある企業その他の団体の役員を兼ねることができない。
(守秘義務)
第9条 オンブズパーソンは、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(解嘱)
第10条 市長は、オンブズパーソンが心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき、又はオンブズパーソンに職務上の義務違反その他オンブズパーソンとしてふさわしくない行為があると認めるときは、議会の同意を得て、これを解嘱することができる。
2 オンブズパーソンは、前項の規定による場合を除くほか、その意に反して解嘱されることがない。
(苦情の申立て)
第11条 市の業務について利害関係を有する者は、オンブズパーソンに対し苦情を申し立てることができる。
2 前項の規定による申立て(以下「申立て」という。)は、書面により行うものとする。ただし、オンブズパーソンがやむを得ない理由があると認めるときは、この限りでない。
3 申立ては、代理人により行うことができる。
(苦情の調査等)
第12条 オンブズパーソンは、申立てがあったときは、速やかに当該申立てに係る苦情に関し調査を行うものとする。ただし、申立てが次の各号のいずれかに該当するときは、調査を行わない。
(1) 申立てに係る事項が第3条各号に掲げる事項に該当するとき。
(2) 当該申立てに係る事実のあった日の翌日から起算して1年を経過しているとき(正当な理由があると認めるときを除く。)。
(3) 虚偽その他正当な理由がないと認めるとき。
(4) 前3号に掲げるもののほか、調査を行うことが相当でないと認めるとき。
2 オンブズパーソンは、前項ただし書の規定により申立てに係る苦情に関し調査を行わないときは、理由を付してその旨を当該申立てをした者(以下「苦情申立人」という。)に速やかに通知しなければならない。
(調査の通知等)
第13条 オンブズパーソンは、苦情等に関する調査を行うときは、関係する市の機関に対し、その旨を通知するものとする。
2 オンブズパーソンは、苦情等に関する調査を開始した後においても、その必要がないと認めるときは、当該調査を中止することができる。
(調査の方法)
第14条 オンブズパーソンは、苦情等に関する調査のため必要があるときは、市の機関に対し説明を求め、当該苦情等に関連する文書その他の資料を閲覧し、若しくはその提出を要求し、又は実地調査を行うことができる。
2 オンブズパーソンは、苦情等に関する調査のため必要があるときは、関係人又は関係機関に対し質問し、事情を聴取し、又は実地調査を行うことについて協力を求めることができる。
(調査相談専門員)
第15条 オンブズパーソンの職務を補助するため、オンブズパーソン調査相談専門員を置くことができる。
2 オンブズパーソン調査相談専門員は、保健、福祉、教育等に関し専門的知識を有する者のうちから、市長が委嘱する。
(勧告、提言等)
第16条 オンブズパーソンは、苦情等に関する調査の結果、必要があると認めるときは、市の機関に対し是正等の措置を講ずるよう勧告を行い、又は意見を述べることができる。
2 オンブズパーソンは、苦情等に関する調査の結果、その原因が当該苦情等に係る制度にあると認めるときは、市の機関に対し当該制度の改善に関する提言を行うことができる。
(苦情申立人への通知)
第17条 オンブズパーソンは、申立てに係る苦情に関する調査を行ったときは、当該調査に係る調査の結果及び前条の勧告若しくは意見又は提言(以下「勧告等」という。)について、苦情申立人に速やかに通知するものとする。
(報告)
第18条 市の機関は、勧告等を受けたときは、必要な是正等の措置を講ずるとともに、当該措置の内容をオンブズパーソンに報告しなければならない。
3 前2項の規定による報告(以下「措置等の報告」という。)は、勧告等を受けた日から起算して60日以内に行わなければならない。
4 オンブズパーソンは、申立てに係る苦情について措置等の報告があったときは、その内容を苦情申立人に速やかに通知するものとする。
(公表)
第19条 オンブズパーソンは、勧告等及び措置等の報告の内容を公表するものとする。
2 オンブズパーソンは、前項の規定による公表を行うときは、個人情報の保護について最大限の配慮をしなければならない。
(運用状況の報告等)
第20条 オンブズパーソンは、毎年1回、この条例による制度の運用状況について市長に報告するとともに、これを公表するものとする。
(公共的団体等に対する協力要請)
第21条 市長は、市が出資している法人及び事業運営費を助成している公共的団体に対して、この条例の趣旨に基づき、オンブズパーソンの調査への協力を要請するものとする。
2 市長は、福祉サービスを行う民間事業者に対して、この条例の趣旨に基づき、オンブズパーソンの調査への協力を要請することができる。
(委任)
第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(平成15年6月27日規則第34号で、同15年7月1日から施行)
(昭島市特別職の職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
2 昭島市特別職の職員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年昭島市条例第6号)の一部を次のように改正する。
別表第1中「
廃棄物減量等推進員 | 年額 | 19,800円 |
」を「
廃棄物減量等推進員 | 年額 | 19,800円 |
総合オンブズパーソン | 月額 | 140,000円 |
オンブズパーソン調査相談専門員 | 日額 | 10,000円 |
」に改める。