平成25年度環境学習講座第3回
更新日:2017年4月14日
第3回環境学習講座
平成25年7月13日(土曜日)(午後1時から午後4時まで)
中神土地区画整理事務所 会議室
- 講義・観察:緑を守り、育てるには パート2
- 講師:NPO法人 国際ふるさと森づくり協会 高野 義武 氏
- 講座のねらい:歩きながら、昭島市の自然を観察し、現存する緑について考える。
(講座要旨)
【講義】
平成23年3月11日の地震によって津波で多くの海岸沿いは水浸しに、そして、車、家、畑が一瞬にして飲み込まれてしまった。松は根が浅いので根こそぎ持って行かれた。ある所には、大きな樹木が10本くらい立っていて、その木に車が10台以上も打ち寄せられていた。木はびくともせず立っていた。その奥の家は助かったのではないか。
関東大震災の時に墨田の被服廠(ひふくじょ)は木がなかったので多くの人が亡くなった。(後日、文献を調べたところ、被服廠は多くの人が家財道具を持ち込んだ為そこに火がつき多くの方が亡くなったとの記述があった。)
深川の清住庭園は木が沢山あったため全員助かったとのことである。
潜在自然植生で森をつくるには、200年かかる。
ふるさとの森づくり(宮脇方式)であれば、15年から20年でできる- 使用樹種 若いポット苗を密植(2平方メートルから3平方メートルまで)
- 表土復元・客土 20センチメートルから30センチメートルまで
- 敷きワラ ワラを敷く
- 3年間は草抜きが必要 間伐や剪定は必要なし
- 維持管理
宮脇方式
「潜在自然植生」とは、人間が活動を停止した時、自然環境がつくり出す土地本来の自然の森のことである。昔の日本列島はほとんどが森であり、その森は地震や火事、台風などの災害に強く千年、二千年と長持ちする「命の森」であった。その森に早く復活させるために、その土地に合った苗木を混植、密植させて植えるという方式である。苗木はお互いに競争、我慢しながら共生し3年で3メートルを超える木に生長する。
【フィールドワーク】
宮脇方式で植栽された場所を観察した。
1 多摩工業高校
多摩工業高校は植樹して3年目に入る。植えた木々はとても大きく育っていた。生えた草は抜き、木の根元に置いておけば、腐食して木の栄養になる。今まで植えてあった木はそのまま生かし、苗は少し離して植えたとのこと。数年後には、立派な森になっていくとのこと。
2 国道16号拝島橋付近
1987年から2000年に植樹。今は何も手入れをしなくてもよく、車の排気ガスにも負けず、しっかりと育っていた。裏手に宮脇方式でない所もあり、そこには大きな木が数本生長していたが、他の木が育っていなかったので、比較ができてよかった。
注:コンクリートは100年、樹林は1000年以上もつ。今まで植えてきたところで、崖崩れは一箇所もない。先生のこの言葉が頭に残った。
(記録:環境学習講座スタッフ 田中 近江)
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